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贈る言葉 (2007/3/30)

 卒業式も終わって入学式も間近。新入社員の研修風景がテレビに出ていました。フレッシュマンに私なりの餞(はなむけ)を。と言っても、数年前の北海道新聞の記事でノートに書き留めてあったのを紹介します。
上川の山奥、占冠村の苫鵡(とまむ)小中学校(25人)でこのほど卒業式が行われ、牛飼いでPTA会長の水野利行さん(40)が、こんな別れの言葉を子供たちに贈り、でっかい拍手を浴びた。「この村では星がたくさん見えます。人工衛星がよくぶつからないで飛べるものだと思うぐらいたくさんの星が見えます。その中にははるか1億光年むこうの星があると聞きます。人類・人間という生き物が生まれるずっと前にピカッと光った星の光を今、私たちが見ている。そんなとほうもない時間と距離の広がりを前にすると、人間の一生はいったいなんなんだろうと思ってしまいます。たかが−生、せいぜい80年余り、何をして碁らしてもいいような気がするのです。中学で学校をやめようが、大学まで行こうがどっちでもいい。貧乏の暮らしをしようが、大金持ちになろうが、平凡な主婦になろうが、女性総理大臣になろうが、どっちでもいいような気がするんです。ただ、おじさんは一生懸命やったかどうか、一生懸命生きたかどうか、これを問題にしたいと思います。麻衣子ちゃんほ家庭科が得意だと聞いています。みのりちゃんはスキーがすばらしくうまいと聞いています。好きなことがある。得意のことがあるというのはすばらしいことだと思います。好きなこと、やりたいことを一生懸命やったらいいと思います。卒業おめでとう」
道新『まど』欄【贈る言葉】より
アントニー・リベラ 記者)